買い物依存症の正体とは？
わかっているけど、ついつい買ってしまう。店員に進められたから？！ワードローブになかったから、かわいいワンピースを買ってしまった？！などなど、頭で考えられる理由は多様にありますが、買い物依存症の人の最大の特徴は。。。
買ったのに使わないことにあります。
そうなんです、買い物依存症の人は買う対象物がほしいわけではないということを最初に理解しなくてはなりません。
ここで「それ持ってるでしょ？」とか「似たようなものを家にもあるよね？」というようなアドバイスや助言、忠告はまったく意味を持たないことを意味します。
しかも、本人もそれがわかっているのです。
買い物依存にはまりやすい人
買い物依存症に陥る人、または陥った人は、自分を大切に扱ってほしいという特別扱いのニーズが根強くあります。
これは「自分には価値がある」とか「自分は特別な人間なのだ」というような、重要な人物でなければ価値が無いという、自信のなさが裏返しにあるのです。
店員やお店と築きあげた信頼を壊したくない。
または外見、特に洋服・バッグ・靴など、他人には手が出ないものを入手して相手を威圧したり、または数多くの品種を持ち、他人には追随できないほどのコーディネートを行えるなど、自己と他者とを何らかの形で比較し、優越感を得たいと思う感覚です。
しかし、自己受容が極めて低いために、それらの行為をいざ行おうとすると「自分は最低な人間だ」という自己嫌悪感が沸いてきたりするのも、このタイプの人の特徴です。
重要な人物でありたいと思うニーズは誰しもありますが、買い物依存に陥る人ほどになると、そのニーズはさらに肥大します。
たとえば、恋愛相談や人生相談を積極的に受けようとします。
これは、相談を受けるほどの自分は、きっと他者とは違い重要な人物なのだと思い込むわけです。
また、不意に相手が不安になるような言動を伝え、不安な相手の解決策を私は持っているようなそぶりをして優越感を得ます。
これらの行為は相手のためにやるのではなく、すべて自分の自我を満たすためにとられる行為なのです。
買い物依存の人が持つ、本当のニーズ
買い物依存症の人が持つ本当のニーズとは、そのものずばり「愛」と「信頼」です。
実はこの「愛・信頼」というニーズと「特別な存在」というニーズは正反対の性質を持っています。
特別な存在とは、自己と他者を切り離した見方であり、何らかの形で優越感や劣等感などが存在しています。
つまり、自己と他者の特徴を比較した相対的な評価なのです。
しかし愛と信頼は、相手との一体から生まれるものです。
無償の愛や信頼とは、対象となる相手との相対的な評価がまったく存在していない状態です。
この２つのニーズはトレードオフであるため、買い物依存症の人ほど涙もろく、恋愛や家族的なドラマ・映画に感動しやすく、小動物を愛する気持ちを持っていたりします。
しかし、普段の彼等・彼女等の行動はまったく逆です。
どこかツンツンしており、威圧感があり、挨拶も苦手で、愛想があまり良くない場合が多いでしょう。
自分は特別な存在なのだというような雰囲気や風貌をかもし出し、他者を寄せ付けないような演出を行います。
しかし、本当は孤独で寂しがり屋なのです。
買い物依存症の人が孤独に陥るメカニズム
買い物依存症の人は孤独に陥りやすいといわれ、その理由は以下のようなことでわかります。
まず自己顕示欲が強く、特別な存在だと思われたいニーズの反面、自分の真のニーズは愛と信頼であることも理解しています。
何かを達成したら愛と信頼が得られるとか、特別な仕事をしたり、高価なものをご馳走したら愛と信頼を得られるなど、誤った愛と信頼の獲得方法をあくせくこなしますが、それらの行為で本当の愛や信頼を得られないこともうすうす理解しています。
そのため、自分に財政的なゆとりがあるときには自信溢れるような雰囲気があるのですが、逆に財政的なゆとりがなくなった時、人から信頼を得られなかった時、恋愛等で振られた時などには、今度は人間関係を拒絶して陰にこもります。
そうすることで心が傷つく事を少しでも軽減させているのでしょう。
これらのことからもわかる様に良質な人間関係を長期間継続することができず、事あるごとに自己嫌悪し、世間と自己を断絶して塞ぎこみます。
このことが孤独の源であり、自分が最も恐れていることを、自らがやってしまう結果になります。
こんな人は買い物依存症に陥りやすい
・外見、容姿に自信がなく、それを衣服・アクセサリー等で補おうとする
・奢ることがとても好きで、特に自分への信頼を獲得するためならば収入以上に振舞う
・彼氏や彼女を選ぶ基準が、自分が好きか嫌いかに加え、他人からの視線や評価も加わる
・とてつもない努力家、しかし継続力はない
・情に動かされやすく、涙もろい
・外での態度と家での態度や服装などに落差がある
