うつ病対策として、思考パターンを変えてみよう
■ うつ病対策として、思考パターンを変えてみよう
精神療法のひとつに認知療法というものがあります。うつ病の患者さんが陥りやすい思考パターンを修正していく治療法です。専門家の指導のもと行う場合は、1~2週間に1度、3ヶ月から半年程度続けることになります。認知治療の専門家は少ないので、興味がある場合はそのことを主治医に伝えてみましょう。どうしても近くに専門家が見つけられない場合などは、自分ですることもできます。
認知治療にはさまざまなやり方がありますが、自分で行う場合はまずは次のような表を作成します。
| その時の状況 | その時の自分の考え | うつ的思考パターン | ほかの考え方 |
■その時の状況
起こったできごとをそのまま記入します。例えば「仕事で単純なミスをした」「納期に間に合いそうもなく上司に注意された」など。
■その時の自分の考え
そのとき、自分はどう感じたかを記入します。例えば「自分は何をやってもダメだと落ち込んだ。」「だらしない自分に嫌気がさした。上司も呆れているに違いないと感じた。」など。
■うつ的思考パターン
この覧に記入する前に、うつ病患者さんが陥りやすい思考パターンを把握してく必要があります。
・自分はこうだと決めつける
「自分はダメな人間だ」「人望がない」「能力がない」というように、否定的なイメージを自分に植え付けている。何か起こったとき「能力がないから上手くいかなかったのだ」とそのイメージをさらに強固なものにする。
・過度に一般化する
ひとつの企画に対して上司からNGを出されただけなのに、「自分はこの会社にとって、社会にとって必要のない人間だ」というように、たったひとつでもよくないことがあると、世の中の全てがそうだと決めつける。
・白か黒か、0か100かで考える
例えば「この企画が通らなければ何の意味もない」という風に、両極端な考え方をする。
・こうすべきと決めつける
理想や志が高く、自分はこうすべきだ、とか、これはこうあるべきだ、と決めつける。
・ 肯定的側面の否認
良いこと、ポジティブなできごとがあっても、悪い面だけ見たり、ネガティブな方向で捉える。
・ 相手の心を読みすぎる
例えば誰かにメールをしたけれど返信がない場合、「無視されている。自分は嫌われているんだ。」などと否定的に考えてしまい、相手が忙しくてなかなか返信できずにいる、たまたま忘れている、などといった別の可能性は考えられなくなる。
うつ的思考パターンの覧には、「その時の自分の考え」がこの6つのパターンのうちどれに当てはまるかを記入します。こうやって自分の考えをどれかのパターンに当てはめることで、自分の考え方の癖を把握しやすくなります。
■ほかの考え方
「その時の自分の考え」に書いた以外の考え方を記入します。無理にポジティブな考えをしようとせず、理論的に可能性としてあり得ることをいくつか書き出します。その中でも理にかなっていると思うものには印をつけます。
表の記入例・その時の状況:仕事で単純なミスをして上司に怒られた
その時の自分の考え:自分は何をやってもだめだ。この会社には必要のない人間だ。
うつ的思考パターン:自分はこうだと決めつける・過度に一般化する
ほかの考え方:
・誰にでも失敗はある、おおごとにならないミス良かった。
・睡眠不足で注意力に欠けていた。今後は十分な睡眠を心がけよう。
・小さなミスで怒るなんて、上司は疲れているのかもしれない。
・同じミスを繰り返さないよう、目のつくところにメモを貼っておこう。
認知療法を始めても、すぐに思考パターンが修正できるわけではありません。無理に一度で全ての覧を埋めようとしたり、全てのできごとを書き起こそうとせず、ひとつずつ段階的に行っても良いので、続けることが大切です。
認知療法では、ひとつのできごとに対する考え方はひとつではない、色々な可能性があり、自分の考えが正しいことも、間違っていることもあると柔軟に捉えられるようになることを目指します。考え方が変われば、受け止める気分も変わるという経験を重ねていければ、うつ病の再発予防につながります。
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