抗うつ薬とは





■ 抗うつ薬とは

薬物療法で用いられる抗うつ薬は、脳内の情報伝達をスムーズにするために用いられます。
セロトニンやノルアドレナリンといった、やる気や不安感などに関係する脳内の情報伝達物質が減ると、脳内の情報伝達が正常に行われず、うつ病の症状を引き起こすと言われています。抗うつ薬にはそれを防ぐ効果があります。

日本の病院でうつ病治療に使用されている抗うつ薬は、大きく5つに分類されます。


1.SSRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

日本で使われているのは下記の3種類

一般名 商品名
セルトラリン ジェイゾロフト
パロキセチン パキシル
フルボキサミン デプロメール・ルボックス

・対象:軽度から重度のうつ病まで幅広く使われる。
・特徴:1999年から使われ始めた。情報伝達物質、セロトニンの再取り込みを防ぎ、神経細胞間にセロトニンの量を増やす。
(※再取り込みとは、情報が来たことによって神経細胞から放出された神経伝達物質が、元の神経細胞に取り込まれてしまうこと。)
・副作用:吐き気・嘔吐があらわれる場合も。
SSRIはセロトニンのみを選択し、作用するので副作用は少ないが、脳内以外のセロトニンにも影響を及ぼしてしまうため、初期にこのような副作用があらわれることもある。


2.SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

日本で使われているのは下記の1種類

一般名 商品名
ミルナシプラン トレドミン

・特徴:SSRIに次いで認可され、SSRIとともによく使われている。情報伝達物質、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを防ぐ。
・副作用:SNRIはロトニンとノルアドレナリンのみを選択し、作用するので副作用は少なく、特にSSRIより消化器系に及ぼす副作用の少なさが期待できる。
また、代謝経路の違いにより、ほかの薬との併用による副作用を引き起こしにくいとされている。ただし、前立腺肥大症の人は注意。前立腺肥大症の症状のひとつである排尿困難が、より強くあらわれることもある。


3.三環系抗うつ薬

SSRIの登場までおもに使われていた。種類もさまざま。

一般名 商品名
アミトリプチリン アミプリン・トリプタノール・ノーマルン
アモキサピン アモキサン
イミプラミン イミドール・トフラニール
クロミプラミン アナフラニール
ドスレピン プロチアデン
トリミプラミン スルモンチール
ノルトリプチリン ノリトレン
ロフェプラミン アンプリット

・対象:SRIやSNRIが効かない場合や、自殺の危険性が高いときなど、症状が重い時に使われる。
・特徴:神経伝達物質セロトニンとノルアドレナリンの働きを活発にする。
・副作用:口が渇く、立ちくらみ、動悸、便秘など。
 副作用が多いと言われているが、「アモキサピン」や「ドスレピン」など副作用が少ない商品もある。


4.四環系抗うつ薬

日本で使われているのは、下記の3種類

一般名 商品名
セチプチリン テシプール・ビソプール
マプロチリン クロンモリン・ノイオミール・マプロミール・ルジオミール
ミアンセリン テトラミド

・対象:副作用が比較的少ないため、主に高齢者の患者さんに使われる。
・特徴:三環系抗うつ薬と比べて効果が低く、副作用が少ない。おもにノルアドレナリンに作用するが、ほかの神経伝達物質にも影響がある。
・副作用:口が渇く、便秘、三環系と同じような副作用が、比較的軽い症状であらわれることも。


5.その他の抗うつ薬

落ち込み、憂うつな気分の改善以外も効果も望める

一般名 商品名
スルピリド アビリット・クールスパン・ケイチール・シーグル・スカノーゼン・スタマクリット・スプロチン・スペサニール・スルピリド・ドグマチール・ニチマール・ピリカップル・ベタマック・マーゲノールミラドール・ヨウマチール
トラゾドン アンデプレ・デジレル・レスリン

「スルピリド」
・対象:症状が比較的軽い場合に使われる。
・特徴:ドパミンに働きかけ気力を高める、食欲の改善などの効果。
・副作用:月経不順・肥満など

「ドラゾドン」
・対象:気持ちを静める、鎮静作用があるため、落ち着きのないときにも有効。
・特徴:セロトニンに働きかける。ほかと比較すると効果はやや弱いが、副作用も少ない。


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